わらび餅@山中

名古屋は徳川園の近くに「芳光」というとっても有名なわらび餅のお店があります。
今までこれよりも美味しいわらび餅を食べたことないだろうな、と思うくらい美味しいわらび餅なのです。
そのお店で修行した方が開いている和菓子屋さんが、同じく名古屋金山にあります。その名も「山中」。


味は「芳光」よりはやや劣りますが(好みの面もあると思う)、やや安いので&実家から近いので、最近はそちらで買うことが多いようです。
今週末は両親が来ていたのですが、お土産でここのわらび餅を買ってきてくれました。


そのわらび餅、こういう外見。


わらび餅@山中


京都などにも、わらび餅の中にこしあんを入れたものはあるのですが、
「芳光」「山中」のわらび餅は、この頼りない、儚げな感じが特徴。
夏場は溶けるので売らないほど…と言えば、柔らかさが伝わるでしょうか?

香ばしいきなこの香りがふわっと漂います。
切れ目を入れると、中からさらしたこしあんがとろり。
口に入れると、まずはきな粉の香り、
わらび粉を100%使ったわらび餅の部分は舌や上あごをくすぐるように震え、
雑味のないこしあんがさらりと舌の上で溶けます。
「官能的」という言葉を使ってもいいんじゃないだろうか。
…うーん、自分の言葉では語り尽くせないです。


「芳光」と「山中」の違い。
本家「芳光」はより徹底的にあんをさらしているため、「さらりと溶ける」の度合いが違うことでしょうか。粒感が全くない、といってもいいくらい滑らか。より上品な味わいになります。
うーん、でも「山中」の、こしあんを食べているという実感も持てる味も好きです。少し素朴な感じがして。


こしあんと言えば、これが「むらさきや」のこしあんになると、粒感は全くないのにちゃんとあんこの味がする、というまた別次元の味になる気がします。「芳光」はややさらしすぎてあんの味や香りが薄いので、例えば水羊羹などにするとちょっと物足りなくなるのです。でも「むらさきや」の水羊羹はそういう不満が全くなくて、きちんと小豆を食べているという実感が持てるのです。不思議。


「山中」には、「街の和菓子屋さん」のイメージながら、ロールケーキなどの洋菓子も置いてあったりして、ご主人は意欲的な人だなぁ…と感心します。割氷っぽいお菓子があり、ゆずの香りがしてこちらもおすすめです。

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和菓子処 山中
愛知県名古屋市熱田区沢上1丁目6番11
TEL: 052-671-3059